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2008年7月 1日 (火)

エピソード2

今回も中学校で担任をしていたときのお話を。

中学校では体育祭がありますが、その参加種目をクラスで決めるという作業があります。ところが、この参加種目、短距離から長距離、フィールド競技と様々で必ずしも運動が得意でない子にとってはできる限り楽な競技に参加したいと思っていたはずです。でも、競技得点がクラス対抗にもなっていることから、出る以上は結果も残さなければというジレンマもあるのです。特に決めるときに困ることが多かったのが長距離です。長距離が得意な子がクラスにいるときはいいのですが、そうでないときには最後はくじ引きになってしまったりして、後味の悪いこともありました。

ある年、いつものように体育祭の参加種目を決めるための学級活動をしたときのことです。その年の私のクラスには、短距離が得意な子が多く、選抜リレーでは間違いなく優勝候補になるぐらいでした。そんなクラスですから、短距離で得点を稼ごうとすれば簡単に選手を決めることができました。ところが長距離はなかなか決まらなかったんですよね。私はできるだけくじ引きみたいな形ではなく、ある程度話し合いで一人ひとりが納得してくれるようにと少々時間がオーバーしてもいいやという気持ちでいました。クラスでは男女に分かれて、体育委員なる子が一生懸命、できる限り個人の希望に沿うようにと頑張ってくれていました。それでもなかなか決まりません。そんなときです。短距離が得意で、一応得意種目に出場が決まっていた子が、「絶対1位になって得点で貢献するから、ごめんやけど長距離苦手かも知れないけど出て欲しい。」というようなことを言ったのです。自分勝手と言われればそうかも知れませんが、その子は何としてもクラス対抗で勝ちたいと思っていたのでしょう。そのためには得点できるところでできる限り得点を稼ぎたいと思ったのでしょう。そしたら運動部でもなく、体育がそう得意ではない子が「わかった。ビリになるかも知れないけど出るわ。」と言ってくれたのです。そしたら、「ビリになろうがなるまいが、みんなで最後まで応援するから。」と短距離に出ることが決まっていた子が言ったのです。その後は、「じゃあボクも出るわ。」みたいに話が進み、参加種目が決定したのです。実際にはこんな簡単ではなかったんですが・・・・。

当日、約束どおり、どの種目においても、うちのクラスの応援はすごかったです。結果も目標だった学年1位になりました。で、得意じゃなかったけど長距離を走ったくれた子、参加種目が決まってからはその子なりに練習もしていたとあとから聞きました。結果はビリに近かったんですけどね。

前回エピソード1で書いた合唱コンクールでの取り組みや今回の体育祭の参加種目を決めるときの子どもたちの活動を通して、教科の勉強以上に大切なことがあることを子どもたちが学べたのではないかと思うのです。そして、これが学校の役割だとも思うのです。もちろん社会に出たらこんなきれいごとではすまないことの方が多いでしょう。でも、こういった経験がきっと役に立つ、そう思うのです。

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